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クリニック、春が来て・・・ [ハーバル]

エプロン、長靴、スコップ・・・・な〜んだ?

お掃除のタケウチさんと厨房のアカシさんは、この出で立ちで朝から大はりきりである

白い曲線を描くクリニックの中庭には、設計の團先生肝いりの竹が植わっていて、毎年春になると何本ものタケノコが顔を出す。
白い玉砂利の隙間から細いトンガリ頭が出るか出ないかのうちに掘り起こさないと固くなって食べられなくなってしまう!というので、この季節になると皆うずうずし出す。

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 中庭のタケノコ掘り。ギャラリーもいる。

タケノコは放っておくと増えて建物の土台を痛めるので、どんどん掘ってください、と設計事務所から言われているから黙っていればいいものを、またその掘り出しに院長が口を挟むからややこしい。
「あれとこれは掘っちゃだめって院長が・・・」とアカシさんが口を尖らせる。
どれがよくて、どれが悪いんだか・・・
朝っぱらから、おばさんたちのタケノコ掘りに、白衣姿の院長があれこれ指図している図を想像するだけでオカシイ。

掘ったタケノコはアカシさんの手にかかり、患者さんのお食事に季節感いっぱいの筍ご飯として再デビューを果たす。

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 ピンクのリボンは「院長の許可」が出たタケノコ。

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 「こんなん、採れましたぁ!」by アカシ

春の嵐が関東を通り過ぎた夜、クリニックでは遅い花見の宴が催される。
花見といってもクリニックの2階のラウンジでご馳走を食べてちょいと飲むだけ。

アカシさんの筍ご飯は、醤油やごま油で甘辛く炒め煮た筍の皮がまぶしてあり、絶品。
彼女が、うるさい院長に内緒でクリニックの敷地の隅に植えた山椒の若芽も乗っていて、香ばしいったらない。
他に食べるものがいっぱいあるのに、うちでとれたものだという愛おしさも手伝って何度もお代わりをして食べ、帰りにおにぎりにもしてもらって持ち帰る。

ドクターとナースの日常は戦場のようである。
生命の尊さと危うさがいつも背中合わせの真剣勝負だ。

でもその中のこんな平和な時間の存在は、毎朝まだ私が夢の中にいる6時前にクリニックに通ってきて、ご飯を作ったり、院内をくまなく見回ってお掃除をする、アカシさんやタケウチさんのような職員によって支えられている。
規定の勤務時間かっきりに出退勤するドライなスタッフもいるが、彼女たちのように規定を超えて心で仕事をする職員たちに支えられてクリニックはここまで歩んで来れたのだと思う。

家に帰るとさすがに胃が重く、ケプケプしている。
鼓脹にはキャラウェイ(Caraway:Carum carvi)が一番、というネリー説を思い出す。
お湯を沸かし、蜂蜜にキャラウェイのEOを2、3滴落としたものに注ぎ込み、グロッグを作る。
寝る前、TVを観ながらこれをゆっくりマグカップ1杯。
フランス式のEOの内用はクライアントさんには勧めることができないが、時折こうして自分で楽しみながら試してみる。

セリ科の強烈な香りも、まさに春そのものである。



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mimica

クリニックの春は、楽しそうですね。
新しくなったシャワールーム、春の中庭。
タイミング良く、その時期に入院したい!!
なんて、思ってしまいました(^^;)
by mimica (2008-04-21 21:56) 

mana

mimicaさま、いつも読んでくださってありがとうございます。
この夏にはアロマテラピー・トリートメントルーム、美容室も新しくなります。
より快適なサービスをご提案できるようになると思いますので、お楽しみに!
by mana (2008-04-21 22:15) 

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