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日本全国、父の日、R50・もう二度と妻は口説かれない [ハーバル]

すっきり晴れた日曜日、夫は早々と起き出し、一人でコーヒーを入れ、一人で残り物のご飯を食べ、いつものようにゴルフに出て行った。
父の日の今日も何も変わりはしない。

我が家は、ずっとずっと母子家庭だった。
よって父の日、というのは、母の日以上に「無い」ものだった。

無給で、毎日のアルバイトで生活費を稼ぐしかなかった当時の医局制度のもとでは、それは仕方のないことで、特に私と学生結婚をしてしまった夫は、国家試験に通るとすぐ長男も生まれ、当直で生活費を稼がなければならないという宿命を背負わされたのだ。
そのためにあきらめたものは、彼にとってとてつもなく大きなものだったが、そのことに対しての後悔の気持ちを私は今もって彼にぶつけられたことはない。

最近、超メタボな夫の宿命とも言うべき血糖値が上がったままになってきた。
完璧、糖尿予備軍だ。
このままでは下肢切断、失明、心筋梗塞と恐ろしい合併症になるのを待つばかりだ。

一計を案じ、厨房主任アカシさん(管理栄養士)に糖尿食の献立を作ってもらい、仕事でなかなか料理に手が回らない私に代わり、ヘルパーさんを頼んでその食事を実践することになった。

ところがである。
周囲の心配と配慮と工夫を見事に蹴っ飛ばして、ヘルパーさんが来ない休診日にはゴルフに出かけて飲みたいだけ飲んでくる、それ以外にもなんとか会、なんとかの集まりと称して飲みに出かける。
苦言を呈せば、「オレの血糖値なんて正常に毛の生えたくらいのもんだ」と訳の分からぬ言い訳をする。
ついに私は切れた。

初めて机の向かい側の夫のPCにメールを送る。
 私はあなたが片足を失っても杖には絶対ならない。
 私はあなたがR50コンピレーションを贈ってくれても二度と口説かれない。
 自分と家族とクリニックと患者様に責任を持てないなら、道ばたでのたれ死んでも私は知らない。
 反論があるなら、半年で10キロ痩せ、血糖値を正常に戻してから言ってくれ。
 それすらできないのなら、「正論」を口にする資格なんか無いんだ、と。

かなり本気だった。
これで彼が怒って、別れる、と言うのならそうするつもりだった。

次の日から夫は長らくほったらかしにしておいたランニングマシーンで走るようになる。
ゴルフの後の飲み会でも参加はするが飲まないで帰るようになる。
そして返信メールが来た。

「いろいろ反論したいことはあるが、お前の言う通り、半年で10キロ痩せ、血糖値を正常に戻したら言うことにする。もう一度・・・」

さあ、今日ぐらいはゴルフから帰った彼と食事に行こうか。
息子たちから音沙汰もないだろう。
血糖値降下作用のあるガーリック(Garlic:Allium sativum)のたっぷり入ったパスタでも・・・

・・・とここまで書いてアップしてあったのだが、ゴルフから帰った夫には、うれしいプレゼントが届いていた。
P1000163.JPG
POTTY(おまる)PUT-TER。 アメリカ人てほんとにおばかな(potty)もの考えるなあ。

長男夫婦から新潟のお酒とこれが・・・・。
二人で大笑いして、早速セットしてみる。
夫はお嫁さんからの手紙を読んで心底うれしそうだ。








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