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オフィキナリス、セラピストたちよ! [クリニック・シンドローム]

理想と現実。
目指すものとそこにあるもの。
前進と停滞。
希望と失望。

オフィキナリスのwebや電話に、これまで数件の就職の問い合わせが入っている。
始めてまだ2年、求人広告も出したことのないごく小さい企業個体であるにも関わらず。

その応募理由は押し並べて「医療系アロマテラピーをやりたい」である。

近年のアロマテラピーの流行に伴い、セラピストの資格も多様を極め、2〜3ヶ月でもらえるお手軽なものから、1、2年かけて解剖生理学までやって筆記と実技の試験を受け、ようやく取れるインターナショナルなものまで、さまざまである。
そして勉強すればする人ほど、ちまたにあふれるエステ系のアロマテラピーは、何だか本筋ではないぞ、という気になるものらしい。

それはそうだ。
西洋医学が発達する以前から薬用に使われてきた、歴然とした過去をアロマテラピー自身が持っているからだ。

しかし、医療機関でアロマテラピーをやりたいというまじめな希望を持つ人が、うちのような外に出してもいない個体をネットで見つけ出して就職の打診をしてくるってことは、医療、または医療のサポートとしてアロマテラピーを行える環境が我が国において驚くほど少ないってことなんだろうと思う。

そのわけが2年やってみて、ようやく判ったような気がする。

現代の医療機関に於いて代替医療であるアロマテラピーはあくまで脇役。
地道に地道に患者様(=クライアントさん)の不安や不調を聞いて、慎重に施術し、医療の効果を高めるようなサポートをするスタンスに徹する。
従って対価はできるだけ押さえなければならない。
エステサロンのように贅沢をするわけではなく、それがどうしても「必要」だから来る方がほとんどだからである。

またアロマテラピーに対する理解が西洋に比べて浅い日本では、医療に於けるアロマテラピーは対価が期待できず、本当に採算を度外視しなければ成り立たない。
この環境が日本に無いのは、この採算性が一つの要因だと思う。

その経済的な体質は当然雇用されるセラピストの給与にも跳ね返るわけで、エステ業界で高額な収入を手にしたことのあるセラピストに、准看護師並みの待遇を提示すると「こんな給料では働けません。」と言う。
自分の後に何とか続いてもらいたいと思っていたセラピストにそう言われると結構ショックだ。
医療系のアロマテラピーをやりたい、と言って来る方にも、その事情をお話しすると一様に尻込みする。

精神的に大きな落ち込みのある妊婦さんを初期からずっと続けてトリートメントする。
その方が出産されて、「真っ暗な毎日の中で、アロマに来る時間だけが唯一明るい光が射すようでした。」と言われた時、不覚にも涙が出そうになる。

若いセラピストたちに、この感動や達成感を原動力にして、というのは、無理な願いなのだろうか。



















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