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自宅、スノーグース [マイハーベスト]

癒着で内反。
(胎盤癒着、子宮内反症。どちらも大出血を起こす可能性がある)

夫の電話でゾッとした。

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土曜なんだから、飲もう、飲もう。

今夜の当直はK先生だもの。

怒濤の1週間が終わって、今夜は何が何でも飲みたい私がどんなに誘っても、夫は気になる患者さんがいる、と決してグラスに口をつけない。
K先生がまだクリニックに到着していないのが気になっているようだ。

21時近くになって夫は遂にしびれを切らしたようにクリニックに戻っていき、私はひとりで白ワインをボトル半分空けたところで取り残される。

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遊んでもらえると思った犬達も取り残される。

夫が開業して以来、我が家の団らんはこうしてたびたび寸断される。

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家に残された者にとっては、電子ドラムなんか結構いいお相手だったりする。

夫の直感は当たって、相当難しいお産だったらしい。
当直を忘れてお出掛けされていたK先生に夫が代わっていて、結果的にはよかったってことだ。

自分のクリニックか、他人のクリニックへ手伝いにいっているかの激しい温度差。
いつもはだらしなくて腹の立つことも多い夫に、「パパ、オトコだねっ!」と尊敬のラブコールを贈りたいのは、こういう時である。

自分の仕事にどれだけ責任を持って真摯に取り組むかで、オトコの価値って決まると思う。
(あ、あと声の低さね)

そ、酔っぱらいの女房のペースになんか乗っちゃいかんのです。

だいたいこの二つを比べることは正しいのかと思うが、よく「仕事と私とどっちをとるの」とツメ寄る女がいるみたいだが、仕事に決まってんだろー、と私、比べるような女には言ってやりますよ。

閑話休題。

ポール・ギャリコがマイブーム。

スポーツライターを経て小説家になったという変わり種。
第二次世界大戦を経験して、人間と動物の触れ合いを独特の視点で描き出す。

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「スノー・グース」(ポール・ギャリコ著/矢川澄子訳/新潮文庫)

前回のマクラウドの「冬の犬」にも似た、荒涼とした冬の風景がまぶたの裏に投影される。

身体に不具を抱えた一人の男の孤独と、その生き様をひそやかに見つめる少女、二人に助けられた傷ついた白雁。
戦争を背景にした悲しいおとぎ話しのように三者の人生が絡み合う。
短絡的に日本の「つるの恩返し」を思う一瞬もある。

男は戦争から戻らない。

ページ間から指に冷たさが浸みてくるような背景描写とは裏腹に、温かい涙が全身を濡らしてやまない。


イギリスのプログレッシブロックバンド、キャメルがこの作品からインスパイアされて作ったというバンド代表作。
(wiki受け売り。プログレッシブロックバンドってなんですか?)


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