自宅、気になる「あそこ」見聞録 [マイハーベスト]
この週、我が家はアナベル・ウィークである。
家屋の北側の我が家の猫の額は、何度試みるも通常の植物が育たず、ようやく成功したのが西洋アジサイのアナベルと、下草に植えたローズマリーである。
メグは朝の散歩の度に、たっぷりローズマリーをまぶしたフォッカッチャのような匂いになる。
アナベルが一斉に咲き誇るこの時期だけ、我が家はウェディング・パレスのよう。
特にまだ湿度をたっぷり含んだ初夏の夕暮れが、一年で一番我が家を愛おしいと思う瞬間である。
これだけの量が咲き誇るのに、白い花には付きものの芳香がまったく無いっていうのも不思議だ。
仕事から帰って、冷えた白ワインをグラスに注いで、夕食をつまみ食いする。
それでもまだ外は明るくざわめいている。
夕闇に溶け出す、無臭の滴るような湿度というのも、また素敵だ。
日本、万歳。
(他意はありません)
同じくこの週、いろんな友人たちと、インド報告会を3回もやる。
行ってみたいけど、なかなか勇気が無くて・・・が大半の意見。
みなさん、インドは命を狙わないから。
せいぜいサリーの値段ぼられるか、飛行機キャンセルされるだけだから。
中東や疫病感染諸国に比べたら、シリアス度数は低いから。
・・・・って、それで大騒ぎしたヤツが、物申すなって。
すみません・・・
それにしても、「インド大使館御用達」とは大きく出たな、銀座〇ンバイ。
カレー、思いっきりジャパナイズされとるぞ。
なんかこう、インドのとんがったところ、まったく出てないぞ。
インド大使館、一考されたし。
自分じゃ疲れていないと思っていたけど、帰国後3週間目にしてようやく巡ってきたオールフリーな日曜日。
もう何もする気が起らず、ただただ眠いだけ。
やっぱり這う這うの体で逃げ帰ってきた旅の後は、知らず知らずのうちに心の触角を畳んでしまうのかも。
だったら、ただ無意味に笑って脱力しようじゃないか。
「気になる『あそこ』見聞録」(今井舞著/新潮社)
思わせぶりなタイトルは何を狙ったか知らないが、普段私たちの生活と並行して存在しながら、意図的には決して踏み入れることの無いパラレルワールド、「あそこ」の数々への潜入ルポである。
アムウェイ ・プラザ東京、東電株主総会、創価大学オープンキャンパス、豪華客船飛鳥Ⅱ船内見学説明会、石川遼父講演会・・・
こんな独特の価値観にまみれたスポットが、自分の当たり前のすぐそばに平然と存在することに対して掻き立てられる、好奇心とある種の畏怖の念が絶妙だ。
ソファに転がったまま、1章読んではまどろみ、1章読んではワインを注ぎ、もうホント有機物ですらないトドの置物のような格好で読んでいたが、突如がばと正座した「海洋散骨体験クルーズ」の章。
これ、私も参加したいです。
祖先の墓参や、両親の老い方、母の葬られ方、その後の自分の感情を通して、私にはひとつの信念が出来つつある。
無宗教の自分に墓は必要なし。
(たぶん宗教があってもだな)
私は好き勝手に自由に生きさせてもらっているので、死後に期待は何も無い。
孫まではともかくとして、それより先の子孫に、見たこともないやりたい放題のオバアさんのお墓の手間かけさせるのは忍びない。
法律上、焼いた骨をその辺に放置してはいけないのなら、やっぱりどこか迷惑にならないところに撒いてもらい、無になりたい。
以上、夫と息子たちには宣言済み。(やってくれるかどうかは確認できないけど)
夫はどうするのか知らないけど、向こうが先だったら撒いちゃう、私多分。
・・・という感じで、大真面目にいいもの書いてくれたという章もあり、単に茶化しに行ったわねというのもあり・・・
あー、面白かった!
オールフリー、糖質もストレスもゼロにリセット。
さあ、仕事するぞーーー
(一応、掛け声)
2015-06-15 16:36
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manaさんこんにちは。
渾身のインド旅行記、鳥肌もんの感動でした。
すっごい体験でしたね、よくぞ御無事で。。。
でも他人事だからかなり面白かったです。
ごめんなさ~い。笑
こんなに面白いのもmanaさんの読ませる筆力があってのことです。
次の冒険を楽しみに待っております♪
わたしもちょっと勇気を出して冒険の旅を考えてみます。
まずは一人ハワイかな。笑
by なおこ (2015-06-20 15:08)
なおこさん、コメントありがとうございます。
えーと。
私も自分のことながら面白かったインドでした。
なんにも思いどおりにいかなーい!と打ち拉がれながらも、文化、民族、風土の面白さに惹かれていくのがインドなんだと思います。
はい、是非次の冒険、お楽しみに。(どこへ行くつもりでしょうか?)
そしてなおこさんの冒険物語も是非聞かせてくださいね!
by mana (2015-06-21 22:03)