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自宅、夏風呂レシピ [ブレンド・プロダクツ]

「嫌なことがあった時、何日それを引きずるか」

何人かで飲んだ時、そういう話しになる。

3日という人もいれば、すぐ忘れるが1年くらい経ってから思い出してくよくよする、という人もいる。
私は2日だ。

生来の「気にしい」だ。
以前は1週間はがっつり悩んだけど。

でも一人で悩んで解決することなんて本当に少ない。
その状態が長引けば長引くほど自分の心と身体がぼろぼろになっていくだけ。

それに気付いてからは、一旦悩んで反省したら、出来るだけ早くその嫌なことを自分の中から追い出す術(すべ)を身につけることに腐心し始める。

フラも、一人旅も、その術のひとつずつだ。
そこから派生して、加圧トレーニングや英会話があったりする。

アロマテラピーはその術の中でかなり重要かつ有効な手段だ。
そして、最も手っ取り早く自分に与えることができるアロマテラピーは、EOをバスオイルにすることで、ぬるめの、香り高い湯にゆっくり浸かると、嫌なことの9割はお湯にすーっと溶け出していくような気がする。

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ブレンドレシピを考えるのも、楽しい作業。
トリートメント時のトップノートとラストノートまでは確認できなくても、だいたいの香りのハーモーニーもこれで判る。

沖縄で買った月桃を使ったブレンドを考える。
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月桃(Gettou:Alpinia zerumbet)2: ベンゾイン(Benzoin:Styrax benzoin)1: タンジェリン(Tangerine:Citrus reticulata)4
ちょっと和風な仕上がりの、裸足で木の床を歩くようなリラックス感が得られる香り。

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ブラックペッパー(Black pepper:Piper nigrum)1: ブラックスプルース(Black spruse:Picea mariana)1: ユズ(Yuzu:Citrus junos)2
夏場、ダレた身体と気持ちをすっきりさせるブレンド。
この夏一番のヘビーユースな私の日常香。

むくみが気になったらこのブレンド。
パチュリ(Patchouli:Pogostamon patchouli)1: ヘリクリサム(Helichrysam:Helichrysam augstifolium)2: グレープフルーツ(Grapefruit:Citrus paradisii)4
トリートメントで使うと、ラストノートに残るヘリクリサムのワインのような香りが豊かな気持ちにさせてくれる。
妊婦さんにも安心なオイル達なので、仕事上でデイリーユースなブレンド。

オリエンタルな香りでうんと贅沢にリラックスしたい時は、
メイチャン(May chang:Lotsea cubeba)2: フランキンセンス(Frankincense:Boswellia carterii)1 に、 コリアンダー(Coriander:Coriandrum sativum)1 か ワイルドラヴェンダー(Wild Lavender:Lavandula augstifolia)2
コリアンダー・バージョンはレモンキャンディをほおばりながらタイの町を歩いている自分がいるし、ラヴェンダー・バージョンはもうこのまま棺桶に入れてくれモードに突入する。(・・・くらい好きだってこと)

夏はシャワーだけで済ませてしまいがちなバスタイム。
でも冷房に晒されて、クライアントさんも足腰がものすごく冷えている方が多い昨今。

是非、この夏風呂レシピで、心と身体をChill out!!

沖縄、この夏を忘れない [ブレンド・プロダクツ]

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だんなが当直の夜は。

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カールのおじさんになる。
(怖ぇぇ〜)

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沖縄の海底粘土を海洋深層水で溶き、アロエ、月桃エキスを配合したクレイパックである。

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那覇空港で新潟に向け飛び立った長男達を送り、自分の出発までの2時間弱をどうしようか。
空港はお盆ラッシュでごった返し、呑気に外へ出ようものなら再び入るのは困難を極めるし。

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来たときから目を付けていたリフレッシュサロンへGO!

アナウンス鳴り響く人混みの中を、薄いパーティションで区切っただけの空間である。
まーどんだけのもんよ、と案内を乞うと、20分のリフレから70分のアロママッサージだって出来ると言う。

そんじゃー、やって[るんるん]

ちょっと間違って衝立てがずれたりしたら、一糸まとわぬ姿を衆人に見られそうなスリリングさ。
カウチがようやく収まるだけの空間に、よくもまあ効率よく脱衣させる工夫がしてあるもんだ。

ラヴェンダーと何とかのブレンドだというオイルを使って(アナウンスがうるさくて聞こえない)、営業パワー全開のセラピストさんが施術をしてくれたんだが、これがなかなか。
ひっきりなしの搭乗案内が子守唄に聞こえ、いつしか夢の中へ。

終わってもただじゃ帰しませんオーラに負けて、琉球大学の何とか教授も推奨すると言うこのパックを買わせていただく。

あおちゃんの熱発で、コテージにこもりっぱなしの沖縄だったが、最後の夜には私たちのコテージのまん前で大きな花火が上がる。
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花火なんて何年ぶりにしみじみ見たろう。

新型インフルを避けたつもりが、大流行のドツボにはまった沖縄。
そこをかすって何とか帰還。

家族旅行というと、ぶすっとふて腐れて付いてきたイメージしかなかった長男は、レンタカーを繰って一家をリードするおとうさんになり、心配されたあおちゃんの熱も一晩で下がる。

何だかひとつ、肩の荷が下りた。
そう感じたことがこの旅行の大きな収穫。

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沖縄。

この夏を忘れない。
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沖縄、エマージェンシーな夜 [ブレンド・プロダクツ]

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いやー、こうでなくっちゃ、沖縄は。

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いやー、はるばる来てよかったねぇ、やれやれと一旦みんなが寝付いた沖縄の最初の夜。

突然泣き出したあおちゃんの様子が尋常でない。

熱が39℃近く。
長男のアンテナは、その前に立ち寄った奄美大島で大流行していたという新型インフルに直結する。
フロントを叩き起こし、一番近い救急病院が車で30分ほど下った名護市にしかないのを確かめ、長男夫婦はあおちゃんを抱えて飛び出す。

午前2時過ぎ、「まず新型インフルで間違いないでしょう」というドクターの言葉と座薬2個をもらい、うちひしがれて長男夫婦が帰ってくる。

眠れない夜が明け、午前中のうちに再び長男たちはあおちゃんを連れ、近くの診療所に検査キットがあるのを確かめて出て行く。

もし新型インフルだったら私たち、飛行機に乗れないなあ、本土に帰れないなあ、それよりホテルから退去命令が出たりして。
いろんな思いが、苦しそうなあおちゃんの顔と重なって頭の中を駆け巡る。

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・・・しょぼん

2時間ほどで「(インフルは)陰性だった。喉が赤いだけ」と無罪放免の診断を受けて、抗生剤と解熱剤をもらって長男達が帰る。

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あらぬ嫌疑をかけられてもうたわい。

ベビー連れの旅行に、アクシデントはつきもの。
我が家もその昔、ずいぶん旅先で診療所にかけこんだものだ。

やったぜ!
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オリオンビールの向こうに蒼い海。

おヨメさんと私は、スパでようやくリラックス。
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ラヴェンダーとブラックスプルースのブレンドで全身隈無くトリートメントしてもらう。

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こうでなくちゃ、人生は。

自宅、また足のハナシ [ブレンド・プロダクツ]

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見たい?

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本当に?

それじゃあー
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ハイっ!
美しい肉球!
(・・・・・)

足の土踏まずがつりそう。

加圧ジムのバランス・トレーニングをしていると必ず。

「センセイ、これは正常な反応でしょうか?」
「いえ、トシのせいです」(言ってませんって!)←患者さんの旦那さんだもん。

仕方ないので、お風呂上がりに、
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タイ・ハーバルのOriental Sole Foot Cream(去年もアップしたはず)を足裏にたっぷり擦り込む。

Lemon/Mint/Camphor入り。

ご丁寧に、
Lemon balances skin.(レモンは肌のバランスを整える)
Mint deodorizes and invigorates senses.(ミントは脱臭し、元気づける)
Camphor soothes and eases foot aches.(カンファーは足の痛みを和らげ、鎮める)
と効能書きまで。

ふぅ〜
コレを読むの、老眼には辛いわ。

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まだ一度も自分の体重を感じたことの無いあおちゃんの足。
人生を歩き始める前は、こんなふっくらとしたクッションのような足裏をしているんだなあ。


自宅、◯ンチョーでない夏 [ブレンド・プロダクツ]

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・・・・・・

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・・・・・・

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ええ匂いや〜

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ちっちゃい前庭にしょぼい水庭をあしらった玄関先に、蚊がたむろする季節となる。

そこで・・・
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ようやく出番が来ました。

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2月にタイのサムイ島のスーパーで買ったラヴェンダー蚊取り線香。
12巻入った1箱、15バーツ(=45円。安っ!)。

「LAVENDER SCENTED」と唱いつつ、入っているナチュラル・ハーバルはシトロネラ(Citronella)とユーカリ(Eucalyptus)だというアヤシげな品。
値段も値段だし。
期待薄。

出入りの多い夕方の1時間ほど、玄関先で焚いてみる。
そして、冒頭のべっちゃんの恍惚の表情へ。

ええ匂いや〜 まるでタイやわ〜〜

タイのどのホテルでも基盤に香っていた香りはこれだったんだ、と気付く。

もちろんちゃんと「effect is mosquito protection」の効能書きどおり。
◯ンチョーのCMのようにバッタバッタと蚊が落ちるのではなく、寄せつけないという感じ。

そして消した後の残り香が実に甘やか。
玄関ホール中にただよってうっとりする。

タチレクの6個30バーツのジャスミン石鹸といい、このラヴェンダー蚊取り線香といい、アジアのB級土産、とっても優秀。

ノーマットが主流となったニッポンの夏。
植物の持つ除虫効果を利用する昔ながらの知恵を見直したい。

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◯ンチョーでない夏も、またよろしい。







自宅、サステナブルでいよう [ブレンド・プロダクツ]

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持続可能(sustainable)という言葉を初めて聞いたのは、建築を専攻している次男から。
スクラップ&ビルドの時代が終焉、エコな時代が到来し、建築界でもずっと使い続けていける建物が、次男の師事する教授により、かなり以前から提唱されている。

さて、
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晴れたじゃん・・・

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夏の扉が1ミリ開いた感じ。

昨日、ミナサン(トイプー3匹)と軽井沢へすっ飛んで行こうと思っていたのだが、Gregのレッスンが終わって帰宅し、ちょっとソファに横になった途端、爆睡。
夫の食事を作りに来たサツさんに起こされて、戦意消失。

どーせ、雨だしな。

と、自分を納得させていたのに。
なんで、この天気デスか。

昨日は、はりきり過ぎて一番に着いてしまい、Gregと1対1で「OTHYUGEN」トークを15分繰り広げる。
会話は全然上達してないけど、おかげさんで度胸だけはついて来たんじゃなかろうか。
会話がぶっつぶつでも、途中で単語を引きながらでも、とにかく言いたいことを言う。

耳を慣らしたいので、石川遼君ご推薦の「◯ピードラーニング」のCDは、パウダールームにも、ベッドサイドにも、車の中にもセットしておいて、とりあえず時間があれば流している。
(遼クン、早く成果を見せてね!)

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英会話と一緒にパウダールームで流しているのは、ヴィアロームのデフューザーオイル「エキゾチック・ヴァーベイン」。
レモン・ヴァーベナが基調の、すっきりしゃっきりオイル。
蒸し蒸ししたイマドキ、起き抜けの頭に英会話を叩き込むのにぴったりだ。

5週目で加圧トレは休みだったが、
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フラをし。

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着付けをし。

休み返上でレセの点検もし、もちろんアロマの仕事もし、何やかやで疲れてたんだな、自分。

今日はミナサンとゆっくり散歩でもして、
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持続可能なワタシでいよう。


新宿、贅沢だっ!!JO MALONE [ブレンド・プロダクツ]

いやっほー!

小躍りしそうな心と足。

まあ夢の世界とはこんなものか。

もしかして、「お前、今頃なんだよ」というニュースな方もいらっしゃろう。
新宿◯勢丹、2階。

整然、広々としたエリアは、フレグランスとアロマテラピーの世界である。
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◯勢丹は、滅多に行かないけど行けばいつもワタシのテンションをupさせてくれる場所だ。
商品のセレクトに飛び抜けたセンスがあり、インスパイアされる。

EO(エッセンシャル・オイル)のディスプレイもガッツがある。
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ジャスミンならジャスミン、ヴェチバーならヴェチバーと、普通ならブランドごとに陳列されているEOが、香りごとに各社のテスターがまとめてあり、蒸留する場所や会社で香りが少しずつ違うことが判る。

あっちでクンクン、こっちでクンクン、その上写メをカシャカシャ。
相当ヤバいおばさんだ。

壊した日傘を買いに来たことなんて、すっかりどっかへ飛んでいる。

先ずフランスのterre d'Ocというブランドの、『EXQUISITE CARAMEL』というアロマキャンドルを買う。
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甘美なキャラメルそのものの香り。
これがあれば、実際にキャラメルを食べなくてもいいとさえ思える。
嗜好品の類いは、嗅覚が満たされればあるいは摂取しなくても乏しく感じないものなんだろうと思う。

そのうち、眼は吸い寄せられるようにJO MALONEへ。
日本にまだ上陸していなかった昨年前半までは、ロンドンで、パリで、夢中になって買い求めたブランドだ。

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香りのセンスもさることながら、私はこの淡いクリーム色のパッケージに結んでくれる黒のグログランリボンの上品さが大好きだ。

嗅ぎ回って、嗅ぎ回って、「ヴィンテージガーデニア ウィズ カルダモン&ミルラ」のキャンドルを買うことにする。
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残念なのは、ロンドンでキャンドルを買うと付いてくる、この点火用マッチが付かないこと。
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この柄の長いマッチでキャンドルに火を点ける時、何とも言えない優雅な気持ちになるので気に入っているのだが。
危険物の輸入制約があるんだって。

「よろしければ、ハンドトリートメントをなさいませんか?」

説明をしてくれたジェントルマンが商品を包みながら言う。

えーっ、します、します!
(日傘はまるきり忘れている)

女性のセラピストがいるのかと思いきや、そのジェントルマン(・・ていうか、「ホームアローン2」のイヤミなホテルマンに似ている濃い顔)自身がトリートメントするんだと言う。

ジャスミンと野バラにワイルドミントがブレンドされた『ホワイトジャスミン』のシャワージェルを小型のミキサーで泡立て、まずクレンジング。
この時点で、N島、早くもノックアウト。

「これは『ナツメグ&ジンジャー』のコロンを使ったおしぼりでございます」
と拭き取るおしぼりにも、有名なコロンが。

続いて『ホワイトジャスミン』のボディクリームでトリートメント。
日本未発売で「トリートメントだけでご体験いただけます」。

最後の仕上げは『ネクタリン ブロッサム&ハニー』のスプレーコロンで。
ネクタリン、プラム、ブラックカラントと蜂蜜のブレンドは、究極のスイーツのよう。

ああ、なんて贅沢なのっっ!
このまま、カウンターに突っ伏して寝てもいいですかああー!

これぞJO MALONE の真骨頂。
異なるブレンド同士を重ねても決してお互いが喧嘩せず、むしろ重ねることによって自分だけの香りが作れるというわけ。

「また是非、トリートメントにお越し下さい」と、名前の入った予約カードを戴く。

いいの?
ほんとに来るよ、また。





オフィキナリス、モーニング・シックネス [ブレンド・プロダクツ]

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「scrambled」(ニース、「ラ・ペロウズ」)

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「sunny-side up」(サムイ島、「ザ・ライブラリー」)

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「boiled」(バンコク、「ジ・オリエンタル」)

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再び「sunny-side up」(エズ、「シェーブル・ドール」)

朝の卵料理は万国共通なので、どこへ行っても絶対ハズレないのがいい。

でも、人生で2回、卵が食べられなかった時がある。

悪阻である。
(どんだけ昔だよ)
「morning sickness」という英語が、図らずも朝の卵料理を拒否しているようだ。

アロマテラピーに来られる妊婦さんの症状で、深刻なのがこの悪阻。
身体の症状でありながら、ぐっと精神的に落ち込んでいかれる方もいる。

私も悪阻が酷かったので、その憂鬱さがよーく理解できる。

長男の時なんて、点滴のボトルをカーテンレールにぶら下げて毎晩夫に点滴してもらっていたもんなあ。
この辛さがいつまで続くんだろうと思うと、もう目の前真っ暗。
体重計に乗って「また減ってる」と思った途端、気持ち悪くなってしゃがむ。
気晴らしに、と出かけた伊勢丹の前のベンチにへたり込んで、入らずにそのまま帰ってきたこともある。

ご飯がおいしく食べられないということが、こんなに人生を暗くするんだと思い知った時である。

気持ち悪いのを我慢して出かけた両親学級の香りに救われて、とその日のうちにメールをくださったクライアントさんが来る。
(クリニックの両親学級では、オランジェリーのデフューザー・オイルを拡散している)

悪阻は半分以上、嗅覚の変化のせいではないかと個人的には思うので、そこでアロマテラピーを選んでくださったフィット感は大切にしたい。
しかし、大半が7〜10週とまだ安定しない時期なので、夫と相談しながら慎重に行う。

ヴィ・アロームのオランジェリーは、スイート・オレンジ(Orange sweet:Citrus sinensis)、マンダリン(Mandarin:Citrus reticulata)などジューシイな柑橘系のデフューザー・ブレンド。

ご飯の炊きあがる匂いや、卵の焼ける匂いにノックダウンしていた朝、このフレッシュな香りが自分のキッチンに流れていたらどんなに救われただろうと思いながら、クライアントさんをがんばって、とエールとともに送り出す。






青山、マゴな日曜日 [ブレンド・プロダクツ]

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抱えきれないほどのカシワバアジサイを戴く。

スズランに似た甘い香りがかすかにただよう。
この白い花の中に埋もれたい。
チョウチョかミツバチになって。

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あおちゃんが来る。

二重になったあどけない目は・・・・わたし似じゃん!
(ババ、暴走す)

いいオトコになるでー。

長男は朝からセミナー出席、夫があおちゃんの子守りをかってでてくれたので、おヨメさんと二人、ピーカンの日曜の高速をすっ飛ばして、アロマテラピーを受けに行く。
毎日、新潟で子育てに追われるおヨメさんにたまにはゆっくりしてもらいたい。

アロマ、私がやってあげてもいいんだけど、絶対リラックスできないよな、その図。

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トリートメントの前に二人でランチ。

ここは28年前、夫と結婚が決まった時、夫の大学の友人達がお祝いパーティを開いてくれたところだ。
まだ、お店が残っていることがうれしい。

「免疫強化、頭脳活性化」が今日のテーマ。
バジル(Basil:Ocimum basilicum)、ローズマリー(Rosemary:Rosmarinus officinalis)、ジンジャー(Ginger:Zingiber officinale)、ローズゼラニウム(Rose Geranium:Pelargonium graveolens)をブレンドしてもらう。
身体がぽかぽかして、活力が湧いてくる。

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「ママに置いていかれマシタ」

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「おとうさんはあおちゃんに、おかあさんはアロマに取られマシタ」

残念!





銀座、Chill out! [ブレンド・プロダクツ]

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夜の銀座。

休診日だがレセの点検で出勤した後、都内の会合に出席していた夫と待ち合わせ、銀座で遅いご飯を食べることにする。

普通だと面倒臭いので、「勝手に一人で食べてきて」と言うのだが、ちょっと今日はいろいろと話したい気分だ。

しっかし。
本当に不況?

夜9時を回った銀座は、賑やかで華やかで、ダークスーツの群れに和服やロングドレスの蝶が飛び回る。
こんな世界もマジであるんだなあ。

スーツ姿の男達は何を求め、きらびやかさの中に飛び込んでいくんだろう。
その饗宴は、彼らの今後に何を残すんだろう。

私たちは地味に行きつけのうまいもんやさんへ。
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産地直送の海鮮とシャブリが絶妙。

このところの憂鬱は、クロや親のこともあるんだが、根本は有床診療所への締め付け政策。
見えない手で、じわじわと首を絞められるような感じがたまらなく息苦しい。

シャブリが終わり、ムルソーに変わる頃、夫の一言で憑きが落ちる。
「ただ地道に診療に当たるのみ。」

そうだな。
マイナス面にのたうち回って、本来の使命を見失ってはいけない。

帰宅し、酔い覚ましを兼ねて、このところ凝っているfireflyから「chill out」を選んで飲む。
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メッセージは「To be chilled,or not to be?」
ハーバルブレンドはカランツにレモンバーム、ビターオレンジ、ジンジャー、カルダモン、シナモン。

Chill out!(気を鎮めよ)


自宅、脇の下事情 [ブレンド・プロダクツ]

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パリのパラソル屋さん、「アレクサンドラ・ソジェフィーノ」の店先。

うっとうしい傘の季節がそこまで来ている感じ。

珍しく憂鬱。
この1週間が早く過ぎてほしい。

原因は判っている。
決算後の莫大な納税の期限が今月末なんである。

厚労省が打ち出すジャブは、産科に入るべき費用を先送りにし、取り上げる費用を前倒しにするものばかりで、それが回り始めるまでのほぼ半年(今)、かなり苦しい。

こんな時こそ、アロマの出番。
インフルエンザ対策で拡散しまくったティートゥリーやベイローレルに替えて、黄金のように輝く(イメージで)ベルガモット(Bergamot:Citrus bergamia)をディフューザーに入れる。

胃に重苦しく固まっていたものが溶け出すような気がする。
紫外線が強烈な季節に肌に塗るのは禁物。(シミがこれ以上出来てはたまらん)
吸い込むだけで十分、十分。

気分が明るくなってきたらシャワーを浴びる。
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チョと待てよ。これ、試す?
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タイ・ハーバル・ホームスパの「Up in Arms Underarm Detox Mask」。

あまり日本人には習慣のない、脇の下の匂いをDetoxするパック剤だ。
ホワイトクレイにGuava Leaf とTamarind入り。

少量を脇の下に塗り、数分。
後はシャワーで洗い流せとある。

外国人が日本のドラッグストアの脇の下用デオドラント製品の品揃えを見て、「冗談か!」と失望したという話しを聞いたことがある。
体臭の強い欧米人には必須項目なんだろうな、これも。

クライアントさんをトリートメントする時、脇の下の汗の匂いが気になる季節になったもんね。
使用感上々。

ルームシューズもヒノキのサンダルに替える。
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ああ、また夏が来る。

青山、旅の垢(とウィルス)を落とそう [ブレンド・プロダクツ]

自分のいびきで目が覚める。
恥ずかしいけど、その無防備さがものすごく心地よかったりする。

帰国して8日め。
ジェットラグも何とか収まってきた休日に、体調の仕上げとして青山のアロマテラピー・サロンへ行く。

帰国して日本の大騒ぎに仰天する。
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フランスでは町中でのマスク姿はおろか、空港でもインフルエンザの「イ」の字も無い。
もともと欧米人はマスクをする習慣があまり無いのか、けっこうあからさまに咳をしても口を手で押さえることもしない。

大陸では「水際」はない。
もうしゃーない!と腹をくくっているように感じる。

フランスへ行く1週間前に、メキシコの豚インフルエンザが小さく報道され、「豚は食べられないわ」くらいに思っているうち、あれよあれよと豚インフルは新型インフルと名を変える。
フェーズ3→4とそのパンデミック指数を上げ、出発の朝にはフェーズ5となって、厚労大臣の緊急記者会見が行われる。

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何事だかわからない不気味さだが、「海外渡航はいっさい禁止!」とのお達しはなく、「行ってもいいけど自己責任よ」と個人に押し付けられた責任を背負って出かけるしか無い。
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サクレクール寺院で初めて、日本と違っていろんな国からやってきた人が集まっているんだと、ちょっと脅威を感じたのも、まあ、鈍感と言われれば仕方ない。

その後の「行くなとは言わなかった」国の、行って感染しちゃった人に対する扱いがあまりに大仰で、自己責任にゆだねた割には個人が被る制裁は大きすぎるように思う。
軽く見すぎてはいけないが、フランス(多分他の国も)との温度差は、ものすごく感じる。

それでは、身体を休めるのと同時に、ウィルスへの抵抗力をつけるブレンドをセラピストさんと考えよう。

ティートリー(Tea tree:Melaleuca alternifolia)、シナモンリーフ(Cinnamon:Cinnamomum zeylanicum)は、自他ともに認める(?)抗ウィルス作用の筆頭株。
妊婦さんには使えないし、皮膚感作作用があって遠離りがちなオイルたちだ。
こういうシュチュエーションに追い込まれないと、なかなか手に取ることが無い。

セラピストさんが、睡眠障害と緊張性の頭痛に効果のあるスパイクナード(Spikenard:Nardostachys jatamansi)を勧めてくれ、これらの特徴のある香り達をスイートオレンジでまとめる。

もう、彼女がそのブレンドオイルを持って部屋に入ってきた時から濃いシナモンの香りが肺に入ってきて、ガッツリウィルスを撃退しそうな気がする。

2時間、あっちの世界を彷徨って、さて、これで旅の垢は落としたとしよう。

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でも、引き続きうがい、手洗いは念入りに。

自宅、ゆれる、まなざし [ブレンド・プロダクツ]

ゆれる、まなざし。(判らない人は一行削除願います)

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疑惑。
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挑発。

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・・・・「迎客部隊、準備完了しました、社長ぉっっ!」

ほんとか?
あとの2人はやる気ゼロに見えるが。

・・・ってなわけで、久々にセラピスト仲間を夕食に招く。

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玄関で、The Orientalのレモングラスの香りがお出迎え。
ここはしっとり、せれぶりてぃ。

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トム・クリストファーの「Yellow Cab」がテーマのコーディネート。
ここまでいい感じ。

が、その後迎客部隊乱入につき、いつものとおりぐちゃぐちゃになって、しゅう〜りょお〜。

日曜。曇天。
週末のお宮参りのための着物を選び整える。
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着物が地味なので、バッグはショッキングピンクにしよ。

畳紙をいちいち開けなくても中が判るように写真を撮って貼付けることに。
結構な作業日でありました。

終了。

自宅、ぶんかいします [ブレンド・プロダクツ]

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トノ、ヒメ、ご乱心でござる!

ご飯にかける「ふりかけ」を、ブリーダーさんちに買いに行く手間を省いてペットショップの安いヤツに変えたのがご不満だ。
トイプーの長い鼻をご飯に突っ込んでテコの原理で放り出す。

おまえたち、シーズーでなくてよかったな(怒)

いやー、まいったまいった、がここのところいくつか。

朝6時にONされるもの。

エアコン。
TV。
部屋があったまるのを待ちつつ、あっちの世界とこっちの世界を行きつ戻りつしながらニュースや天気予報を聞き流すのは、結構オツなんだが。

耳に突然違和感が乱入する。
「朝カレー」??

不調のイチローが「毎朝カレーを食べて試合に行く」と言ったのにヒントを得たのかYO?

朝はたっぷりのミルクティーとカロリーメイト2本(チーズ味)でOKな自分にとっては、胸焼けどころの話しじゃない。
目をつぶっててヨカッタ。

鼻に突然異物感が乱入する。
と思う間もなく鼻腔内洪水。

先日のゴルフでどんだけ花粉を吸い込んだんだか。
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一気に来た。

そこで
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設置してみました。

プラズマクラスターイオン発生機。
http://www.sharp.co.jp/products/living/pcig/prod01/iga100w/index.html
どんなものかは↑参照。
自分ではきちんと理解していないせいで説明不能。

耐性ウィルスで騒いでいた時に朝のワイドショーで有識者と俗に呼ばれるお歴々が、みんな「持ってる」と発言したのに腰を抜かした、ある意味有名家電。

家電音痴なので持っていないことに何の違和感も無かったが、先日やって来たデパート外商が「お医者さんのご家庭にはほどんど入っています」とコロシ文句を吐くもんだから。

そういえばうちもお医者さんのご家庭であったなと、乗り遅れ組、ようやく搭乗。
これで本当にタミフルも効かない耐性ウィルスが分解されるんなら、パンデミックだなんて恐怖心をあおるような大騒ぎしなくてもよかろうに、とクサる。

細菌よりちっちゃいウィルスを分解するなら、目に見えるほどでかい花粉なんてお手のもんだろ。
がんばってくれ。

でも・・・
ひとつだけ素朴な疑問。
空中のウィルスを分解できるってことは、もしかしてディフューザーで拡散したEOも分解しちゃうってこと?

その辺り、福岡ハカセ、オバサン仕様に説明をお願いしたい。
セラピスト生命かかってるんで。

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ロタンシェルの「チャイブレンド」。
シナモンの香りが心と身体を暖める。

自宅、シンクロ・クロ [ブレンド・プロダクツ]

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椅子の影からそぉっと登場である。

気難し屋の年長のベベ、フェロモン全開でパパにすり寄るメグに挟まれ、お人好しの彼の出番はなかなか無い。
私の膝に乗りたくても、先に乗っているべべにガンを飛ばされて後ずさりする。
ソファに飛び乗ろうとして、上から目線の女王メグにうなり飛ばされる。

飼い主の気を引く最後の手段として、おもちゃのガチョウを持参する。
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「こんなもんでいかがでしょうか。」
どの世も、中間職は生きづらい。

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+(プラス)。
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−(マイナス)。

自分の心の住人。
二人の体重を合わせると300g。
平均的な心臓と同じ重さ。
今日はどっちが重いのだろうと考えたりする。

身体のバランスが取れていれば心のバランスも整い易くなる。
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ロンネフェルト社の「ベストバランス」。
ルイボスに蜂蜜の香り。
これを一日に何杯も飲む。
利尿作用抜群で、簡単にデトックス効果を狙える。

髪を男の子のように短くする。
フラ的には長くしなければならないのだが、長かったのは高校生まで。
以来、自分の結婚式も洗いっぱなしのショートヘアだ。
そこで踏ん切りをつける自分である。

クロの心の揺れが自分にシンクロしている気がする。
ぎゅっとぎゅっと抱いてあげよう。

銀座、立春は香る [ブレンド・プロダクツ]

立春。

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その日がお誕生日のフラの先生を、練習の後、ささやかにお祝いする。

貸しスタジオのざらついた床に座って、小さなケーキでHappy Birthday for Mikimi!

素は永遠の少女のように無邪気な先生は、細くて、手足が長くて、目が大きく、踊るとため息が出るほど美しいし、フラを始めてたった4年でここまで登って来たという芯の強さが何より魅力だ。
厳寒の中で、ここからは少なくとも春に向かっていくこの日に生まれた所以が、そんなところに見えるような気がする。

翌日は着付けの練習とネイルで銀座へ。

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おお!
くらりと地面が揺れるような気がする、某宝飾店のビル。

便箋を買いに入った鳩居堂で、梅の香りの煉香(ねりこう)を見つける。
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梅の香りは確かに存在するのだけれど、幽かで密やかで捕まえどころが無い。
EOや香水も無い。
(時折、梅の香りの香水というのが見つかるが、やはり似て非なるものだ)

そうか。
煉香という手があったか。

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煉香は正露丸みたいで、天然香料を練ってまるめたもの。
香炉や火鉢の熱灰(あつばい)の上に置くと、むっくりと蛇花火のようになって薫じる。
玄関に香炉を据えてみる。

う〜ん。
やっぱ、お香だな。
梅の香りそのものという感じではない。

それでも、コンクリート打ちっぱなしで、外より寒いんじゃないかというぴきーっとした我が家の玄関に、立春の凛とした香りが漂っているのはよいものだ。
EOの拡散は身体と心を緩めるが、お香はぴしっと引き締まる感じがする。(緩みっぱなしの誰かにはよいな)
東西の文化の違いは、香りにおいても顕著。

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ジャ、ジャスミンのお香だと〜?
買うっきゃない。

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いつも長蛇の列で、食べたいけど横目で通り過ぎていた銀座マネケンの店先に3人しか並んでいない。
こ、これも買うっきゃないでしょー。
(帰り道、我慢できなくて運転しながら一個食べちゃった)

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夜はミナサンに囲まれながら、PCと買って来たワッフルとクコの実茶。
幸せな瞬間を満喫して。







自宅、おいしいエサ [ブレンド・プロダクツ]

あおちゃん旋風が一段落して、毎夜PCに頭を突っ込んでいる。

慌ただしい日常の中のところどころに自分への「エサ」を散りばめておくのが、それを乗り切る秘訣!というのは、私や親しいウェブデザイナーの一致した意見である。

「エサ」は何でもいい。
見たかった展覧会を見に行くこと、欲しかったCDを手に入れること、一日中パジャマのままでDVDの世界に入り込むこと・・・・・・
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マリー・アンワネットのDVDは、特製あぶら取り紙つき。(なぜに?)

ただ、これらのことは日常の仕事のほうが大きすぎて、その中に埋没してしまう恐れ大。

そこで、私の場合は、海外へ飛び出すことがもっともオイシイエサなんである。
3か月も日本にいると、もうお尻がじりじりしてくる。

今回は5月のGWに照準を合わせる。

一人旅の場合は、ホテルも航空券も全部自分で手配する。
大変だけど、その過程がおもしろいんである。
つまり旅行本体と合わせて、2倍楽しめるってことなんである。

大ファンになってしまったパリとコートダジュールを再びなぞって、極める。
そんな旅を計画する。

パリのホテルは、ばっちり前回下見済みの、比較的リーズナブルなデザイナーズホテルにアクセスし、カード情報などを入力すると、あっさりOK、バウチャーが届く。

コートダジュールは、前回訪ねた鷲の巣村エズで、「ここに泊まりてぇ~~~」と心から叫んだCHATEAU DE LA CHEVRE D'ORにトライする。
http://www.chevredor.com/fr/index.php

リザベーションオフィスに照会すると、「あなたのリクエストに沿うよう、鋭意努力します」みたいな、まるで国会答弁のような返信が(たぶん自動配信)届き、2日間沈黙。
3日めに応答があり
「current high occupancy」ゆえ「We are unable to provide a positive answer」ときた。

あらー・・・・。
うちの分娩予約みたい。
数か月先でもいっぱいどすか・・・。
人気あるんやなあ、と関西弁になってしまってがっくり。

・・・がその数時間後、またメール。
「We thank you for your mail・・・・・」
おいおい、そのハイテンションはなにゆえ?
「We are pleased to suggest you the following avilabilities」・・・・・って、おいっ!

だからフランス人ってやっかいだよなあ。
続くフォームに1泊分の前金をカードで入れろと書いてある。

う~ん、どういうことなんだろう?

「新手の振り込め詐欺なんじゃねえの?」
脇から覗き込んだ夫が言う。

フランスでも振り込め詐欺があるはどうかは知らないが、ここは問いただすしかあるまいと、「ダメ」と言ってきたメールをペーストして、「いったいどっちよ?」とメールする。

そしてまた1日、沈黙。

とうとうキレて、
「as soon as you possible」で返事しろ!と再びメール。

そしたら「Sorry」の返事が来て、システムトラブルで間違った知らせが行ってしまった、予約は可能です、とのこと。

死ねよー。

もう泊まるのやめようかと思ったけど、やっぱりあの絶景は捨てがたい。
フランスってこういう速度で物事が進んでいく国なんだ、と腹を収めてカード情報を送る。

こんなやりとりを、もちろん電子辞書片手に必死でやるわけである。
夫なんか呆れて「旅行会社に頼めばそれで終わりなのに」と言うけど。

一昔前まではリアルタイムで外国とやりとりができるなんて想像もつかなかったのに、日本の旅館を予約するのよりちょっと複雑なくらいで、自分でできるっていうのがものすごく楽しい。
単語力も結構つくし。

この季節に合わせ、ロタンシェルからインフルエンザ予防の「Poly-valent」(多種の抗体を含んだ、という意味)、のどの痛みへの「Respiratory」(呼吸器用の、という意味)を購入。
早速部屋中に拡散し、大奮闘の夜長である。
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自宅、初恋のター坊 [ブレンド・プロダクツ]

頭痛い。

昨夜はフラの練習の後、先生を囲んでお寿司屋さんへ。
そんなに飲んでない(熱燗2本ぐらい)のに、動いた後なので吸収が良かったか。

朝はいつもベッドの中でしばらくTVのニュースを聞き流す。
ふと「あおやまたかし」と聞こえたような気がして、思わず起き上がる。

フォーリーブスって知ってますか。

歌って踊れるイケメンのグループは今やSMAPを筆頭にごちゃまんとあるが、私がおませな小学生だった頃にこのグループがその先陣としてジャニーズからデビューした。
今となれば結構笑える、ター坊、マー坊、トシ坊なんて天気予報みたいな愛称がついてたんだが、私はその中でも優等生タイプのター坊に初恋をした。

教育者だった父は、TVを見せると子どもがバカになると本気で思っている人で、歌番組なんて絶対に見せてくれなかったので、私は密かに「りぼん」などの雑誌のグラビアを切り取って神棚に上げんばかりに大事にしていた。

そのター坊が亡くなった。
映し出された映像は、経て来た長い時間が変えた容姿を残酷に見せつけたが、私の初恋の人は逝ってしまった。

享年57歳。
あの頃、手の届かないところにあった存在は、その歩みを止めることによって、私が追いついていくことを許してくれたのか。(いや、向こうはそう思っていないだろう、当然。)

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鎮魂の朝、そんなの関係ねえミナサン達は、階段のダッシュ移動を繰り返し、騒々しいったらない。
頭痛いんだよ。
頼むよ。

昼から千鳥が淵で仕事なので、ブラックスプルース(Black Spruce:Picea mariana)とスイートオレンジ(Orange sweet:Citrus sinensis)を新しいディフューザーで拡散しまくり、テンションをアップさせる。
バジル(Basil:Ocimum basilicum)のアロマティック・グロッグを飲み、自分にカツを入れて、始動だ。




銀座、掌の上に帯留め [ブレンド・プロダクツ]

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朝、久しぶりに歩いてクリニックへ向かう。
途中の畑が霜柱で真っ白だ。
小さな氷柱の美しさと、小学生の頃の足先の冷たさが同時にインプットされてくる。

クリスマスも終わった銀座を歩いていて、小さな呉服屋さんのアンティーク帯留め展が目に留まる。
まだ満足に自分で着付けも出来ないくせに、和服好きの大学時代の友人に誘われて池田重子さんのコレクションを見に行った時の感動がよみがえって来る。

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陶器の栗。秋の渋い紬に合いそうだ。
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白珊瑚の金魚。夏の薄物に。
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珊瑚のニワトリとひよこ。酉年のお正月までにはまだ先が長いけれど。

みんな紬用の細い帯締めに合わせて作られていて、掌(たなごころ)の上でその材質のかすかな重みを感じるだけの繊細さだ。
コレクターが惜しみつつ手放したという帯留めたちは、偶然という縁で3つだけ私の箪笥に収まる。
どんな方がこれを愛したのだろうと、そんな思いを馳せるだけでも楽しい。
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そんなに神経質なほうではないと思うのだが、この季節、ウィルスがいっぱいの人ごみに出るのは結構勇気が入ったりする。
そんな時持ち歩いて重宝しているのが、このFragonard社のEO入りサシェ。
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いわゆる小さな濡れおしぼりのようなものだが、EOが含まれているので手を拭くと30分ぐらいいいにおいがが持続していて、ほっとする。
かさばないので、常にポーチの隅に2つほどしのばせて出かけ、あちこちの券売機やエスカレーターの手すりなどに触って手がどうしても気持ち悪い時に拭く。
これで雑菌がすべて除去できるわけではないが、香りで気分もリフレッシュする。

海外旅行での機内や、手を洗うところが満足に無いような場所でも大活躍。
是非お勧めしたいグッズ。

一箱にローズ、ヴァーベイン、オレンジフラワー、フリージア、桜の5種類の香りが入っている。


ダイニングルーム、栗&PHランプ [ブレンド・プロダクツ]

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夫と入ったティー・ルームで、マルコポーロのティー・バッグの隣のマロングラッセにもつい手が伸びる。
気温が下がるとこっくりした栗の舌触りが恋しくなる。

枯れ葉舞い散るパリの街角でも「YAKIGURI!」(思いっきり日本語で呼ばれる)を2、3回買ったなあ。

そう言えばサンジェルマンにもこのマリアージュ・フレールは健在で、一人旅の最中に旧友と会ったような気分だし、バンコクのThe Orientalではここのお茶は他のお茶の3倍の値段だ。
侮り難し、マリアージュ・フレール。

寒くなってくると恋しくなるものが栗以外にもうひとつ。
明かりだ。
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50年代のPoul HenningsenのPHランプは去年、北欧アンティークショップで手に入れた。
変圧をしてもらって昔懐かしい布巻きのコードを伝って何とか灯っているが、この電球が切れたらどうなるんだろう?

現代のモデルとはどこか違う柔らかい光が、気持ちをほのぼのと暖めてくれる。
複数のシェードを重ねることによって、至近のどの角度から見てもまぶしくないというフォルムは、シェードごとにグラデーションがかかり、実用とデザインが見事に「マリアージュ」した逸品と言えよう。

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シャワーフォームを変える。
夏の間はThai Herbal Home Spa(毎度おなじみ)のSpice &Shine Shower Gel(ジンジャー、マリーゴールド)だったが、乾燥が気になり出して同じブランドのEastern Treat Shower Creamに。
ジャスミン、ミントのブレンドがライスクリームに溶け込んで秀逸。

誰しも寒いのは嫌で家に閉じこもりたい(できるのなら)。
その閉じこもりグッズや食べ物が冬は楽しい。









オフィキナリス、トリートメント「されたい」日 [ブレンド・プロダクツ]

前日のゴルフの負の遺産は、翌日も筋肉痛というカタチで自分を苦しめる。

朝、ベッドからずるりと貞子のようにずり落ちて抜け出すが、身体が重くてだるくて痛い。
オランジェリーを拡散しまくり、ブラス仕様のモーツァルトを目一杯流し、熱いシャワーを浴びてカツを入れ、気分的には仕事モードに自分を追い込んでいくが、身体がどうしても付いてこない。
今日は私がトリートメントを受けたい、と切に思う。

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朝から、妊娠中からお産を経てずっと通ってくださる馴染みのクライアントさんの施術があるので、サロンへ。
(注:写真はモデルです)

お話をしながらこの身体の不自由さが、施術する手の動きに出てしまわないかどうかすごく心配になる。

クライアントさんが選ばれたブレンドは、スイートオレンジ(Orange Sweet:Citrus sinensis)、ネロリ(Neroli:Citrus aurantium)、そして私もこれは考えたことが無かったペパーミント(Peppermint:Mentha piperita)。
ああ、よくぞ選んでくれました!
筋肉痛のことなど一言も言っていないのに、寒い時には温め、暑い時には冷却するという特性を持つペパーミントは熱感がある時やそれに伴う筋肉の痛み、頭痛にすぐれた効果がある。

クライアントさんの全身にEOを1時間以上かけてトリートメントしていくセラピストは、トリートメント中に立ち上ってくるEOの気体から、塗布する手のひらから、クライアントさん以上にEOを身体に取り込んでしまうと言われている。
その時の自分の体調に逆行するようなEOをクライアントさんが選択されたときは正直キビシい。

でもまあ、それがプロってもんだ。
だいたいの耐性は出来上がっている。

ペパーミントは妊娠中は絶対に使ってはいけないオイルなので、多くの効用が確定されている割には、オフィキナリスではかなり使用頻度が低いものだ。

でもたまにこうして産後の方が「すっきりしたくて」と選ばれることがある。
このジューシイでさわやかなブレンド、私も初めてだったが、かなりアドバンスな感じだ。

トップノートでスイートオレンジが心をほぐしてくれ、ミドルでネロリ(予想はペパーミントが先かと思ったが)、最後はペパーミントのさわやかさが持続するといった、パリで見つかりそうな秘密のフレグランスみたいだ。

身体がこんなに重い日に、ベンゾインやフランキンセンスのようなこれまた重い樹脂系のオイルは結構ツライが、今日は私の症状にもぴったり。ありがとうございます!

ちょっと青臭いのに、家に帰ったころはオレンジの香りになるんです!とクライアントさんもネロリの大ファン。
二人で気持ちよくなって、ティータイムにはまたまた話しが弾んで時間超過。

でもこんな出会いがあるから、この仕事は楽しいんだなあ。

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トリートメント室脇の新しい美容室は、シャンプーをする時に青空が見えるトップライトが好評。
團先生、さすがです!

自宅、再生その2〜元気を出して [ブレンド・プロダクツ]

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ジャンセンのバレリーナを見ていたら、己の身体が気になり出した。
夏の間、たいしたメンテもしなかったので、老廃物の処理機能が落ちている気がする。
朝、バイタリティが湧いてこないのはこのせいである。

一週間、と期間を区切ってデトックスに取り組むことにする。

まず少々面倒になって止めていた、朝のフルーツピュレを復活させる。
バナナ、マンゴー、キウイの3要素(自分で勝手に決めた)に秋の果物をプラスして。

一日1.5ℓ飲むコントレックスに、ローズマリーまたはアルテミジアのハイドロソルを30cc。
利尿作用がぐんと高まる。

パリで買ってみたMASSEUR TETE(頭のマッサージ器)。
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ビジュアル的に受け付けない方もあろうが、これでつんつんするとかなり気持ちがよい。
顔と頭の皮膚は一枚皮なので、頭皮の血行を良くすることは顔の表情にも変化が出ると思う。
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同じ店で買ってみた肩、背中のマッサージ用クリーム。
肩の筋肉のイラストと写真が妙に説得力がある。
香りがゼラニウム、プチグレン、パチュリのブレンドっていうところにもかなり惹かれた。
毎朝、シャワーの後に肩に擦り込むと、絶品さがよく判る。

精製した砂糖、乳製品、でんぷん、は摂取しない。
でんぷん大好きの自分にはこれが一番辛い。
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Pierre Marcoliniのショコラも1週間我慢する。

かくして身体が軽くなり、意欲がもりもり湧いてくれば、私のプチ再生は終わり。
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ソニービルのアートを見上げて、がっつりガッツポーズを決める。

銀座、立派な角質 [ブレンド・プロダクツ]

「あらあ、立派に成長しましたねえ!」

ネイリストにやっぱり言われてしまう。
成長したのは足の角質だ。

1ヶ月に一度、カラーリングとカットをしてもらうサロンで、足のジェルと角質ケアもお願いしている。
普段はバスタイムに軽石(原始的だがこれが一番だと思う)で擦り、お気に入りのThai Herbal Home SpaのSole Foot Cream(レモン、ミント、カンファー入り)を擦り込むだけで何とか1ヶ月維持できる私の角質。
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それは車に乗ってばかりで極端に歩行距離が少ない日常を反映してもいる。

ところが!
パリで一日中自分の足で歩き回ったら、もう滞在中にかかとの角質がぼろぼろ落ちてきてびっくりした。
足裏を使うことで皮膚の再生速度が上がり、死んだ皮膚の残骸である角質が蓄積されたのだと思う。
こんなに早くそのスピードが実感できるなんて、私、よっぽど歩いたんだなあ。(というか、普段どんだけ歩いてないかってことです)

・・で冒頭のネイリストの言葉である。
かなりヤスリでごしごし擦ってもらって、ようやく普段の足に。
真っ赤なジェルを塗ってもらい、ラインストーンをつけて、満足。

オフィキナリスで、お腹の大きい妊婦さんに足の角質ケアとジェルネイルのサービスを始めようかと考えている。
お腹が大きくては角質ケアはできませんもの!
それに手は赤ちゃんをお世話するのでネイルはできませんが、足ぐらいはおしゃれしたいですよね?

一緒に写っているのはSEZZのアメニティKIEHL'Sのボディ・クレンザーだが、ここ、何が気が利いてるって、日によって香りが変わることだ。

2日めのルームドレッシングの後はグレープフルーツ、3日めはコリアンダーだった。
思わず使い残しをポーチに入れてもらってきてしまった。
いいなああ、このサービス。
明日は何かと思ったら延泊したくなりますよね?


上野、ぶらぼーですっ! [ブレンド・プロダクツ]

ヴィ・アロームの「オランジェリー」が気に入ってしまい、デフューザー・オイルを大人買いしてしまった。
オランジェリーのいいところは、柑橘系で万人向き、香りに持続性が無いこと。
持続性が無いことは欠点のようであり、実は「飽きない」うえでの長所でもある。
毎朝のシャワー、洗面、ドレッシングといった一連の作業を持続して行う間、パウダールームに流しっぱなしにしておくと、人生観が変わる勢いだ。

さて、上野文化会館に、ウィーン国立歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』を次男と観に行く。
久しぶりのオペラだ。

バレエやちょっとしたコンサートなどは、自分で観たいものに一人でぷらっと行くのがなんと言っても気楽でいいが、オペラや歌舞伎はやはりお相手がいた方が断然楽しい。
長い幕間にちょっと飲んで食べて、気持ちよくうとうとしながら観劇するのが、大衆芸能の醍醐味だと思うから。

夫がまるで芸術モノに興味が無い人なので、だいたいオペラは次男を誘う。
「どうせ誰も一緒に行ってくれる人がいないんでしょ」
と憎まれ口を叩きながらも、オペラだけは付き合ってくれるのが彼だ。
(だって、夫以外にオペラに誘ってくれるような殿方がいる方が危険じゃありません?)
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文化会館は超満員。
入り口付近には
『チケット求む!』
と書いたプラカードを持って立っている人がいるほどの人気演目だ。

「お〜お〜、なかなか学生には入れないとこですなあ」
次男は演目よりも建築に興味津々だ。

1961年、コルビジェの直弟子で、戦後モダニズム建築の旗手前川國男の作であることを彼から説明される。
前から気になっていたヘンな壁の装飾も、彼から見れば
「すげぇ(木材の)厚さ!」
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と、全く別の方向からの見方があることを知る。

モーツアルトの喜劇『コシ・ファン・トゥッテ』は最高に面白く、前半昨日の疲れでうとうとしながらも筋書きがはっきり判り、30分の幕間を挟んで意識が戻った後半は、ぐぐっと引き寄せられる。

永遠の愛を誓い合った姉妹2組のカップルの男性達が、おのおのの彼女の真意を確かめようと、出征したふりをして異国人になりすまし、お互いのお相手を口説く。
淑女達は貞淑さを守らねばという思いと、満更でもない気持ちに挟まれてじたばたするのだが、その大仰な仕草が本当に可笑しい。
あっという間に誘惑に乗ってしまった妹と、最後まで抵抗し続けた姉も陥落して、男性達は自分の手練手管に満足しつつも、淑女達が自分を裏切ったことを嘆く。

最後は正体を明かしてめでたしめでたしなんだが、このありそうでなかなか考えつかないストーリーが、モーツアルトの明るく楽しいメロディに乗り、奇想天外な仕掛けがちりばめられて続く4時間。
何だか久しぶりに晴れ晴れと楽しくなった。
最近のオペラ舞台は(特にドイツオペラなんかは)超モダンで素敵でもあるのだが単調だ。
今回はウィーンらしくクラシックでちょっとあか抜けないんだが、このモーツアルトらしいエスプリの利いたストーリー、マシュー・ボーンあたりが演出したらどんなにか美しく楽しいだろうと想像する。
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幕間にピンクシャンパンを飲みながら、次男の建築評と音楽評を聞きながらしゃべって、満足な一夜でした。







オフィキナリス、出発でき・・な・・い・・! [ブレンド・プロダクツ]

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発案から2年。
アネハで態度をがちがちに硬化させた建築基準法に乗り上げ、施工中断半年余。
設計と施工が睨み合って噛み合ないのを交通整理しつつ、ようやく竣工。
さあ新しい出発を、と意気込んでやってきた今日である。

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いい感じにできたんではないか。

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今日の香りはヴィ・アロームのオランジェリー。
スイートオレンジ、マンダリン、グレープフルーツのブレンドで、もう一瞬で脳がジューシィに溶け出しそうだ。

しかし、横槍が入る。
通常、アロマテラピーサロンはまだ日本においては野放し状態で、衛生的にも(by保健所)、建築的にも(by役所)規制は何も無い。(但しバスタブを設置すると公衆浴場の扱いとなり、保健所の検査が要る)
が、オフィキナリスはクリニックの付帯施設なので、保健所が乗り出してくる。

何もここでぼろ儲けしようとか、アヤシいことをしようとか、考えている訳じゃない。
患者さんに必要で、喜んでもらえることをしようとしているだけだ。

どこかの公務員みたいに税金使いこんで贅沢してる訳じゃない。
自分で働いたお金で、企業努力しようとしただけだ。

日本の医療機関でアロマテラピーができない原因の一端が判った気がする。
行政が邪魔をするのだ。

夫の判断で保健所の指導に従うことになり、翌日から再工事の段取りをして、内覧会に望む。

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失意のうちのささやかなパーティだったけど、嬉しかったことが二つ。

妊娠中からアロマに通ってくださり、出産された何人ものクライアントさんが、赤ちゃんを連れてお祝いに来てくださったこと。
普通のサロンとは違って、出産が終わってクリニックから遠のいていくのと同じように、オフィキナリスのクライアントさんも「卒業」していくものだが、こうして母校を訪ねるように来てくださる。

それからクリニック、今回の増築を通して設計に関わった團事務所の若き建築家達が顔を揃えたこと。
今は團事務所を離れた(あるいは離れようとしている)彼らが、いろんな経験をしつつ日本の建築に真剣に向き合っているのを見ると、何だか次男と面影が重なり、応援せずにはいられない。

次男は常々、「なぜ建築をやりたいのか」と問うと、「自分の作った物が大地にずっと残っていくからだ」と言っている。
それと同じ言葉を彼達から聞く。

その彼らのいい思い出も苦い思い出も、喜びも苦労も全部刻み込んで、クリニックも増築棟も建っている。これからもずっとだ。

キミタチ、いつまでもそうやってトンガっていろよ。
トンガって研ぎすました感性で、保身に明け暮れる行政に切り込んでいってくれ!

・・で壁を壊さなければならないので、あと1週間、再出発はお待ちください(最敬礼)。



練馬、ポール&ナナ [ブレンド・プロダクツ]

「あ”あ”×△っっっぁっっっっっっっっぁっっ!」
心の中でうめく。

目白通り、練馬付近。
中央寄りの車線を走っていたら、左車線のトラックが歩道寄りの何かを除けようとして右にはみ出してきた。
それをかわそうと、反射的にハンドルを右に切ったらしい。
「ぎぎぎっっっっーっ」と車の右側に嫌な音。
センターラインに立ててあった数本のポールに、1週間前やってきたばかりの新車を擦り付けたのだ。
左ハンドルの弱みがすぐに出たってことだ。
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車は下駄代わりと公言してはばからず。
夫も私も車というものにそれほど執着が無い。

無いんだけど・・・なんかめんどーだわー、と思いながらもディーラーさんに言われて、半年も前に、青山のCORNSに行き、ボディ・シート・ダッシュボード周りの色を選んでマイコーディネートを決め、オーダーをかけてようやくやってきた車だ。
ボディは白、シートは明るいベージュ、機器回り・ハンドルはそれより一段濃いベージュで、しなやかな白貂の毛皮をまとうトップアスリートのような(どんなだ?)。

「なんか、飾っておきたいくらいですよね!」
「ジーパンは色が落ちますから、履いて乗らないでくださいね!」
「ボクたちもずっと白手袋して触ってたんですよ」
「この辺乗り回すのに、別に1台軽、買いますか?」
買わないよ!
それじゃ本末転倒だろ。

異常にハイテンションの営業さんにツッコミを入れて受け取ったばかりなのに。
なんて言おう?
もう傷つけちゃったって言ったら、ブッ飛ぶだろうな、彼。
ボク、この車愛してます、って見え見えだったもん。

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今日のクライアントさんは、産後のサービストリートメントからアロマにハマった方。
サーファーらしく、均整のとれたしなやかな体つきが産後1ヶ月でちゃんと戻っている。

東南アジアの浜辺が似合う彼女にスイートマージョラム(Marjoram,sweet:Origanum majorana)、イランイラン(Ylang-ylang:Cananga odorata)にちょっぴりクールなスイートミント(Sweet mint:Mentha viridis nana)をブレンドする。
赤い花が咲き乱れる海辺をイメージして。

ぐっすりと休まれたクライアントさんが
「私、この香りすごく好きです!」
と言ってくださる。
自分がクライアントさんの個性に合わせて考え抜いたブレンドが、ジャストフィットした時はものすごくうれしい。

それは自分のブレンドレシピのページを増やすし、その1ページの価値だけで、車の傷など頭から吹っ飛んでしまう気がする。




南極、大地の悲鳴 [ブレンド・プロダクツ]

外国のスプラッター・ムービーのように、寝室が明るくなるほどの稲妻が二度、三度。
やば、と思う間もなく、轟音。
3匹が悲鳴を上げてベッドの下、布団の中と散り散りに逃げ惑う。
滝のような雨。
真夜中の3時だ。

こうも荒々しい天気が続くと、地球のために何もしていない私が言うことじゃないが、何だか地球が断末魔の叫びを発しているような気がしてくる。
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先日、バンコクからサムイに渡る機内誌に、こんな広告が載っていた。
『HELP!』

南極の氷が溶けた海で、シロクマの親子が溺れまいとシュノーケルをつけている。
絵面はユーモラスだが、何だかぐっと来た。

人間のしたことであおりをうけるのは、何の罪も無いこんな動物達なんだってことだ。
この広告は、私のしてることに(というか、していないことに、だ)レッドカードを出してる、と思った。

何だか焦ってしまう、という今日のクライアントさんに、ヴェチバー(Vetiver:Vetiveria zizanoides)とスイートオレンジ(Orange Sweet:Citrus sinensis)を使った。
ヴェチバーは大地の土の匂い、そこに根付くオレンジの木が芳醇な果実を結実させたような、しっかりとした香りに仕上がった。
グラウンディングできないと悩んでいたクライアントさんは、とても落ち着く、と喜んでくれた。

踏みしめる大地があるというイメージですら人をこんなに落ち着かせる。
その大地を失わぬよう、個人も小さな努力を重ねるべきなのだろう。


東京ドームシティ、髪の毛総立ち [ブレンド・プロダクツ]

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「乗る?」
「え〜っ?」
「乗る?」
「乗るか!」
二週間ぶりに日中の気温が30℃を割った日曜日、なぜか次男と二人、東京ドームシティ。

留学先からの家財道具を現地から我が家に着払いで送り付けた後、湯島のアパートと大学を再び根城として全く顔を見せなくなった次男に業を煮やし、荷物整理の強制送還のため、本郷で彼を拾う。
昼食がまだだというので、春日通を下り、後楽園脇のドームシティのパーキングに車を入れる。

お盆直前ということもあってか、アトラクションが小さな面積に詰め込まれた広場は夏休みなのにそれほど混んでいない。
映画「フォレスト・ガンプ」をテーマにしたとかいうレストランでご飯。
窓際の席の目の前がこの風景である。

すぐ脇の「ラクーア」のビルより遥かに高いところまで一気に上り、ほぼ垂直に落ちてビルに空いた丸い穴をすり抜けるコースターは、響き渡る絶叫を聞くまでもなく見るからに恐ろしそうだ。
絶叫マシーン、実はあんまり嫌いではない。
冒頭の「乗る?」は私だ。ためらっているのは次男だ。

食事が終わると次男が意を決したようにコースターの券売機のほうに歩いて行くので、小躍りしながらついて行く。
券売機の前で買い方が判らなくて困っている外国人がいるので、次男を前に押し出して助けさせる。
その後に自分たちの分を買って列に並ぶと10分ほどでもう順番がくる。

順番的に一番後ろの席となる。
こういうので、いちばん怖いのが最後尾だと聞いたことがある。
前のブースが上ったり下りたりするのが自分たちとはギャップがあるので視覚的な高低差の幅が出るらしい。

やばい、やばい。
どきどきしてくる。
盛り上げ役のスタッフが、ベルトとガードでがっちり縛り付けられた私たちに
「一気にあの塔より高い所まで上がりま〜す!」
と、脇の後楽園の細く高い塔を指差す。
そんなこと今言われても・・・!

多分、たった1分半か2分ぐらいなんだと思う。
もう絶叫し、絶叫し、絶叫し・・・
髪の毛、総立ち。
ショックで両手がしびれている。

パーキングへ帰る道筋のショッピング街でイギリスから上陸した「LUSH」を見つける。
夏になると髪をごしごし洗いたくて優秀なシャンプーが欲しくなるが、今はコースターで心身ともに逆立った体毛すべてを洗いたくて、気乗りしなさそうな次男を説き伏せて飛び込む。

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100%ナチュラルをうたい、化学合成を一切行っていないことを看板にしたここのプロダクツは、まるでアイスクリームやマカロンのような色とパッケージが楽しい。
私が物色している間、次男も手の甲にお試しのフェイススクラブを塗られて困っている。
「アイラブ・ジューシー」(アイラブ・ルーシーをもじってんだろうな)というマンゴー、パパイヤ、パイナップル、キウイが入っているシャンプー、蜂蜜とジャスミンの「蝶々夫人」(由来不明)というシャワージェル、「リップサービス」(解説不要)というリップクリームなどを買う。

帰宅して早速「アイラブ・ジューシー」でシャンプー、やっぱり化学合成されていない香りはいい!
ちなみに『LUSH』を電子辞書で引くと、「みずみずしい」という意味(まさに!)と「酔っぱらい、アル中」という意味があり、ナチュラルにしてはかなり強い香りとブランドの強すぎる主張とがうなずける。
もうひとつちなみに、クライアントさんから川越にもこのお店があることを聞きました。
















自宅、CASA BLANCA [ブレンド・プロダクツ]

暑い・・・
犬のためにエアコンを24時間付けっぱなし・・・は当たり前である。
我が家なんかそのうえ、花のためにも24時間エアコンを付けっぱなしなんである。
ECOじゃないことこのうえない。

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毎年この季節になると、出入りの花屋さんが夏のご挨拶に、と抱えきれないほどのカサブランカを持ってきてくれる。
前の記事じゃないけれど、白い花が好きなことを心得てらっしゃる。

リビングに生けるともううっとりするような香りが部屋いっぱいに満ちる。
ヤマユリとカノコユリなどとの交配種だというこの花は、私が大学を出たてで、銀座でフラワーデザインを習っていた頃に出始め、当初それはそれはお高いものであった。
値段もさることながら、日本でも育てられる花の中ではダントツに香りが高いのではないだろうか。
このカサブランカ白鳥麗子様のため、我が家のリビングのエアコンは24時間稼働している。

クライアントさんの中に、ラヴェンダーやジャスミンといった花の中の花(・・とはイランイランの意味だが)とも言うべきEOは苦手、という方が何人もいらした。
この事実に私は最初かなり驚いたのだが、よくよく話してみるとトイレの芳香剤や粉状の入浴剤の匂いを考えているからだと判った。
インプットされた記憶とはなかなか消えないもの。
そう言う方には半ば強制的に(?)EOを嗅いでいただくと、一様に「ラヴェンダーってこんなにいい香りなんですね!」と驚かれる。
(中には本当にハーバル系は苦手でラヴェンダーはどうしてもだめ、という方もいるが、ジャスミンに至っては今もって考えを改められなかった方はいない)

フラゴナールの工場で、プロダクツの原料として日本から輸入されているのはキンモクセイだけ、という説明を聞いた。
私の乏しい知恵を全部ひっくり返しても、主なEOの原料で産地に日本が挙っているのはイネ科のヴェチバーだけだ。(最近、沖縄の植物やユズなど、日本でもEOを採取しようという動きはあるようだ)
残念ながら気候的、風土的に香りを採取する植物は日本にあまり合わないようだ。
そして日本のプロダクツは化学合成された人工の香りを無理矢理付けられ、消費者にその匂いをインプットさせる。
いっそ無臭の方がどれだけよいか(トイレは人工芳香でごまかさないで消臭してほしいだけだ)。
とってもとっても残念。
海外へ行って天然のEOが入ったプロダクツがあふれているのを見るたび、いつもそう思うのである。

日本の花の香りは生花で味わうしか無い。

♪As time goes by・・・・
高校生の私をシビレさせたイングリッド・バーグマンの凛とした美しさにも似たカサブランカの香りを、あの名曲に乗せて1日でも長く感じるため、本日も我が家はECOとは全く逆の方向へ向かってエアコン稼働中である。




水戸、白い花が好き [ブレンド・プロダクツ]

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実家から株分けしてもらった白いアジサイがだいぶ花を多くつけるようになった。
白い花が大好きである。
これは実家の母譲りだ。
実家の広い庭は母が集めた白い花が咲き乱れる。
フランスから帰って初めて実家の両親を訪ねることにした。

私が嫁ぎ、教職にあった二人は定年後、毎年のように二人で海外へ出かけて行った。
それが二人の一番の楽しみであったし、子育て、役職の束縛から離れた自由の謳歌でもあった。
父より7歳年上の母は、80歳で念願であった「エベレストを空から見る」という冒険に打って出て、地元から小型チャーター機でエベレストの上を飛んだ。
それが二人の最後の海外旅行であった。

今もどんなに海外へ行きたかろう。
特にまだ頭のしっかりしている89歳の母は物事への探求の意欲が強く、興味が尽きない。
自分たちだけで行くのは無理なので、私に連れて行ってくれと言いたかろうに、私も認知症を煩った父と体力が衰えた母を連れて飛行機に乗るのは自信が無く、こちらから誘うこともしない。

その代わり、ではないけれど、旅行に行けば写真とお土産を持って報告に行く。
母はその話しを聞かせてもらうだけで、うれしそうにしている。

「白い花以外は花ではない」くらいの勢いの母には、モリナールで見つけたgardenia(くちなし)の花のボディローション、若い頃から頭の毛が寂しい父にはアルルで買った紺色のベレー帽だ。
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香水をほとんどつけないので、身体に付ける香りはボディローションで楽しむ。
海外へ出かけるとそれこそスパやフレグランスショップで珍しいボディローションを探しまわる。
今までの最大のヒットは、チェンマイのThe Chediのアメニティだったサンダルウッドのローションだ。
現地でシャワー後につけて出かけたら、同行したアロマにはあまり興味のなさそうな従兄弟が「いい匂い」と言ったので、買い込んでバーグ先生達にもお届けしたのだが、この前のフランスで「あのサンダルウッドのボディローション、すごくよかったわ」と言っていただき、うれしかった。(職業柄いろんなフレグランスに埋もれていらっしゃるだろうに)

その経験をふまえて言えば、プロダクツはやはり原料となるEOの品質で優劣がつくと思うので、よいEOの産地の近くで買うものがよい、と思う。
例えばジャスミン・サンバックやイランイランなら東南アジア、サンダルウッドならアジアかインド、ユーカリ系ならオセアニア、そして温暖な気候に育まれる香しい花々は地中海沿岸である。

モリナールでガーデニアのボディローションを見つけた時はこれだ!と思った。
「白い花は香りがよいから」という理由でこだわる母に、と買い求めた(もちろん自分の分も)。
くちなしには緑色のとんでもなく大きな芋虫がいて、幼い私はそれが恐ろしくてどんなにいい匂いでもその花に近づくことは出来なかったが、母はそれをピンセットで摘み取りながら大事に大事にその木を育てていた。

ローションを腕に擦り込んであげると、香りを嗅いで「ほんとうね!くちなしね!」と喜んでいた。
また今度どこかへ出かける時は白い花のローションを探そう、と思った。




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